エルメスのレザーの種類

こんにちは。

店主の藍衣です。

本日はよくお客様に聞かれますエルメスのレザーの種類をご案内します。

ヴォー・スウィフト
非常にソフトで洗練されたこのレザーは、『ガリバー旅行記』の著者ジョナサン･スウィフトの名を取っています。現在はコレクションに使用されていないヴォー･ガリバーに類似した特徴を今に伝えるネーミングです。
コレクション初登場：2004年
外観：高いスムース感、繊細な光沢、目に見えないほどの軽いグレイン
タッチ：ソフト、やわらか
ハンド：ソフトでリッチ
経年変化：やわらかさを増す

クラッチバッグ《ジジェ》エラン 29
を作られることが多いレザーです。

ジジェを詳しくみたい方はこちら

ヴォー・エヴァーカラー
ヴォー・エヴァーグレインの補完的存在として同等のソフト感があり、｢フォーエバー｣な幅広いカラーバリエーションを備えています。
コレクション初登場：2012年
外観：光沢、プリント加工による規則的なスモールグレイン
タッチ：ヴォー・エヴァーグレインより目立つグレイン
ハンド：ソフト、しなやか
経年変化：やわらかくなり、艶を帯びる

小銭入れ《バスティア》Bastiaのコレクションに見られます。

トリヨン・クレマンス
クリエーター自身の娘の名前を取ったこのレザーは、旅行バッグなどに適します。やわらかさを増し、くっきりとしたグレインを表面に出す回転処理を施したグレイン・レザー特有の個性を表現しています。
コレクション初登場：1992年
外観：セミマット、不規則ではっきりとしたグレイン
タッチ：ソフト、なめらか
ハンド：しなやか
経年変化：やわらかさが増す

大人気のバッグ《エヴリンIII》 29のレザーはこちらが多いです。

トリヨン・モーリス
小さくて丸みがあり、はっきりしたグレインが特徴の新たなトリヨンは、クレマンスよりもハリがあるレザーです。
コレクション初登場：2017年
外観：小さくて丸いふくらみ、規則的光沢、幅広いカラー
タッチ：ドライとソフトの中間、時とともにやわらかくなる
ハンド：ソフト、筋が目立つ、丸いふくらみを持つ
経年変化：ざらつき感、艶が出る

ヴォー・エプソン
競馬で有名なイギリスの南東の街の名を取っています。繊細で規則的なグレインは機械加工プリントによるもので、美しいデリケートなツートーンが際立ちます。
コレクション初登場：2004年
外観：規則的なスモールグレイン、やや光沢あり、ムラなし、深い色合い
タッチ：ドライ、微妙な凹凸のあるグレイン
ハンド：丸み、ハリ
経年変化：型崩れしにくい、傷に強い、使用が顕著な部分のグレインが薄まる

お写真に乗せたシルクインコンパクトはこちらのレザーになります。

シルクインコンパクトを詳しくみたい方はこちら

シェーヴル・ミゾール
シェーヴル・ミゾール産地であるインド南部の街ミゾールから名付けられました。型押し加工による特殊グレインが特徴です。レザーを巻き込んで、表面と表面を重ね合わせてグレインを方向付ける加工です。一方向だけでなく、複数の方向に細いラインをつけることもできます。
コレクション初登場：1990年代
外観：不規則ながら調和のとれたグレイン、軽い光沢を持つヤギ革の持ち味が特徴
タッチ：どちらかといえばドライ、時とともにやわらかくなる
ハンド：ソフト
経年変化：やわらかくなる、艶を帯びる

大人気のベアンを作ることが多いです。

ベアンミニを詳しくみたい方はこちら

シェーヴル・シャムキラ
いずれもインドを産地とする「シェーヴル」ラインと同じく、極めて優雅なレザー。微細できめ細かなグレインは、非常に光沢があります。ヒンディー語で輝きを意味する「Chamkila」という名が示すように、光沢の美しいレザーです。
コレクション初登場：2018年
外観：ランダムで調和のとれた細かなグレイン
タッチ：グレインを感じさせない手触り
ハンド：ハリがあり、しなやか
経年変化：年月とともに色味が深まる

ヴォー・グレネ・ムッシュー
「レザーの王」とも呼ばれボックスカーフにちなんで命名された、ヴォー・ムッシュー。アンシャン・レジーム体制下、「ムッシュー」の敬称は、国王の末弟に使われていました。控えめな光沢とハリ、細かなグレインが特徴のこのレザーは、わずかに定着したデリケートなツートーンを帯びています。
コレクション初登場：2018年
外観：極めて繊細、細かく規則的なヴォー・エプソンのグレインを持つ
タッチ：ドライ
ハンド：密なグレイン、丸いふくらみを持つ
経年変化：安定感があり型崩れしにくい、やや艶を帯び、使用の顕著な部分は光沢が増す

バッグ《モザイク24》 21の登場とともにできたレザーです。

ヴォー・アレグロ
色鮮やかで幅広いカラーを取り揃えています。きめ細かく、非常にソフトな手触りのこのレザーは、見かけによらず丈夫です。
コレクション初登場：2018年
外観：きめ細かく、光沢があり、レザー本来の特徴が見える
タッチ：極めて柔らかな手触り
ハンド：しなやかで、ややハリがある
経年変化：型崩れしにくい使用が顕著な部分に艶が出る

バッグ《ルリ》ミニ　に使われることが多いです。

ヴォー・バレニア・フォーブル
ヴォー・バレニアを新たに解釈した、斬新なヘリテージ・レザー。エルメス独自のグレインを持つこのレザーは、エルメス第一号店があるフォーブル・サントノーレ通りから名付けられました。
コレクション初登場：2016年
外観：回転処理による細かいグレインを模した、微細なプリントグレイン
タッチ：ワックス感、ベルベット調、触れたくなるような質感
ハンド：しなやかでリッチ、バレニアよりもソフト
経年変化：バレニア同様、使い込むにつれて風合いが増し、光によく当たる部分の色味が深まる

カードケースシティに使われております。
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ヴォー・ソンブレロ
ヴォー・ソンブレロは、当初はメンズのバッグのために開発されました。ボックスカーフよりも大胆で、ヴォー・バレニアほど野性的ではないこのレザーは、非常に都会的な風合いがあります。
コレクション初登場：2011年
外観：ウルトラマット、ムラのない均一カラー、暗色
タッチ：ドライ
ハンド：ハリがある
経年変化：型崩れしにくい、使用が顕著な部分が艶を帯びる
どのレザーもうっとりする美しさですね。

カードケース　マンハッタンで使われております。
詳しくみたいかたはこちら。

ヴォー・トーゴ
強い回転処理を施して、レザー本来の持ち味を活かしています。アフリカを年間テーマとした年に誕生したことから、アフリカの一国家の名前を取っています。
コレクション初登場：1997年
外観：マット感、不規則な丸みのあるグレイン、筋や皺が目立つ
タッチ：ドライ、ザラつき感、丸いふくらみを持つ
ハンド：ソフト、筋が目立つ
経年変化：柔らかくなる